2019.10.23

Chap.20 高気密高断熱に付随する、諸々のこと。-快適な住まいを考える②

住宅建築と大工の仕事

前回は、高気密高断熱で機械で完全に制御された住まいへの疑問についてお話を伺いました。引き続き、今回も住環境について考えてみます。

 

 

聞き手

親方、お客様は省エネで快適な住まいを皆さん求められていらっしゃいます。これからご新居を考える方には、どんな視点で家づくりをスタートすることをお奨めしますか?

 

 

 

親方

はい。私なら、「健康」という視点を最優先することをお奨めしたいですね。人間それが一番だし、健康であれば医療費も節約できますしね。

 

 

 

エネルギーゼロ住宅があるくらいだから、医療費ゼロ住宅っていうのもあっていいかもしれませんね(笑)。

 

 

 

親方

はい。健康って、生活習慣や日々の節制の積み重ねだと思いますが、住環境からの影響もありますよね。特に高齢者の冬の寒さ対策。これはしっかりしておいた方がいいですね。ただ最近のほとんどの住まいの断熱仕様であれば問題無いと思います。大切なのは耐久性です。

 

 

 

耐久性といいますと。

 

 

 

親方

はい。新築当初に設計通りの断熱性能を確保していても、壁の中の湿気対策を怠れば、直ぐに断熱性能は一気に下がります。若い時に高性能の断熱住宅に住み始めたはいいが、歳を取ったら断熱性能が落ちて、寒い家にならないよう注意しないといけませんね。

 

 

 

気密断熱を追求するのと同じくらいの熱量で、耐久性も追求すべきなんですね。温熱環境以外で注意しておくことはありますか。

 

 

 

親方

やっぱり身体に害のない建材を使うことだね。無添加住宅の宣伝になってしまうけど、やっぱり本物は違うよね。自宅が無添加住宅だから実感して分かるけど、空気が全然違いますしね。漆喰がとてもいい。アルカリ性だから殺菌作用が強くウイルスを死滅させる。他の漆喰製品とは違って、無添加住宅の漆喰には化学物質が含まれていないから空気がとてもきれいです。

 

 

 

アイ創建さんの本社の無添加漆喰の打ち合わせスペースに、お客様の赤ちゃんが長時間いると、いつもウンチをすると聞きました。それも、赤ちゃんほぼ全員らしいですね。

 

 

 

親方

リラックスできるんでしょうね。逆に、空気が汚染していると、身体が身構えてしまうのかな?

 

 

 

 

アイ創建さんのお客様でも、ぜん息が緩和したというお客様も大勢いらっしゃるようですね。普段気づかない住まいの空気環境ってとても重要なんですね。

 

 

 

親方

現在は、室内空気を清潔に保つために24時間換気を動かし続けましょうという国の指導があります。ただ、音が気になるからスイッチを切ったままの人も大勢いらっしゃいますし、フィルターの掃除もほとんどできていない。だから、換気設備が有効に機能していないというあまり世間に知られていない問題もある

 

 

 

高気密高断熱住宅で換気設備を付けると問題は無いという主張には、「ただし書き」も添えてもらわないと不誠実な気もしますね。最後に、ズバリこんな住まいにするべきだという親方のお考えをお聞かせ下さいますか。

 

 

親方

はい。私は、自然体に近い快適な温熱環境で、空気汚染に配慮した建材で建てる住まい、そして木材の腐朽を回避した建て方であることが、一番であると思います。

 

 

 

今回もありがとうございました。

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