前回は、軸組図の修正作業が、住宅の耐震性やデザイン上、とても大切なプロセスであることをお伝えしました。現在は、インターネットの影響で、家づくりの実態についての情報をしっかりと得られる時代です。それでも未だお客様にとっては分かりにくい業界かもしれません。軸組図の修正作業の話題からも、そんな一端が垣間見えます。
-- さて親方、これまで軸組図を通じていろいろとお話を伺いましたが、住宅の構造では、木造軸組み、ツーバイフォー、軽量鉄骨などいろいろとありますが、何がいいんでしょうか?
親方 意見が分かれると思いますが、私はやはり木造軸組み工法が良いと思います。何よりも骨組みを残して再利用できるのがいいですね。
-- 他の工法では厳しいのでしょうか。
親方 はい。リフォームをするときに間取りを変えるのはほぼ無理でしょうね。つまり、可変性、自由度という面で優れていると思います。そもそも木造住宅は改修しながら住み継ぐことができるものですから。
-- 日本の住宅の平均寿命は20-30年と言われていますが。
親方 そうですね。昭和40年あたりでは、住宅は20-25年程もてばいいという前提の家づくりでしたね。高度成長期の頃で、住宅は一代もてばいいという風潮でしたね。経済性を優先していましたし、住宅の大敵である湿気対策もできていなかったし、断熱への配慮もありませんでした。
-- 需要が強いから、適当な仕事をしていても住宅会社の経営が成り立っていた時代だったんでしょうね。
親方 そうですね。住宅は手を抜くほど利益が出る。昔は消費者自身、そのような実態にあまり関心が無かった。今はお客様方が勉強熱心だからそのようなことは無いでしょうけどね。
-- ただ、前回の軸組図の修正の話を聞くと、一般人にはわからない不備がいくらでもありそうな気がします。
親方 そうですね。インターネットでの情報収集には限界があるでしょうしね。やはり純粋に仕事への取り組み姿勢から会社を判断されるに尽きるとは思います。
-- アイ創建さんに至っては、今後どのような取り組みをしていきたいですか。
親方 従来とおりお客様の期待に応えるべく、設計施工の技術を向上するに尽きるでしょうね。あとは、できるだけ会社の取組みをお客様にお伝えすることでしょうね。今の時代インターネットという便利な手段があるので、それをうまく活用することで、お客様にご安心いただくことが、これからの企業経営に大切なのではと思います。
次回からは、断熱気密のお話をお伝えします。こちらからジャンプします。
親方による住宅工事の解説動画を、アイ創建の本社サイトにて公開しています。是非ともご覧下さいませ。