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住宅建築と大工の仕事

Chap.11 工夫満載の上棟作業-渋沢教会堂③

2019.05.16

(渋沢教会建築工事。前回からの続きです。)

 

聞き手
親方、それでは建築工事のハイライト、上棟作業についてお聞かせ下さい。特殊な工事でしたから、事前の準備も大変だったのでは。

 

 

親方
そうですね。住宅工事でも上棟前に段取りを考えるのは当然なんですが、今回はいくつか特殊なことがありました。下の写真の赤い丸の部分、これはゴムバンドをつなぐ金具なんです。

 

 

 

 

アーチの集成材がカーブするあたり(赤い矢印)にゴムバンドをつけて、こことつなぐんですね。これには2つの理由があるんです。

 

 

聞き手
一つは仮筋交いの役割ですね。

 

 

*仮筋交い:上棟直後、未だ構造が不安定なときに、材木同士を、細い材木で斜めにつないで三角形を構成して構造を安定させます。この斜めの細い材木を仮筋交いと言います。

 

 

住宅工事での仮筋交い。(斜めの材。のちに取り外されます。)

 

 

親方
そうです。そしてもう一つは桁の面合わせなんです。

 

 

聞き手
それはどういう作業なんでしょうか。

 

 

手前赤色に見えるのがゴムバンド。基礎に向かって伸びている。

 

親方
写真の様に、今回の構造は桁が1本では無く、アーチをつなぐ短い桁です。だから、桁とアーチのお互いの側面をガタガタにならない様に、きれいにそろえる必要があります。桁を設置して面を合わせるために、最後は人力でゴムバンドを引っ張るんですね。

 

骨組みを組み立てる上棟作業の精度は、後々の作業に大きな影響を与えます。順番にパーツを組み立てる時にはごくわずかな数ミリ単位のズレが生じますのでそのズレをゼロにすることに、非常に神経を使うんですね。

 

今回は特殊なアーチなので、住宅とは違う方法でズレを調整する必要があったので、このゴムバンドを使いました。

 

 

聞き手
仮筋交いの役割を果たすわけですから、基礎にもあらかじめ金具を仕込まないといけませんね。基礎工事の段階で、上棟作業を想定していたわけですね。

 

 

親方
はい。上棟作業はそこまでシミュレーションするのが通常ですね。

 

 

(次回は渋沢教会の工事を振り返りながら大工仕事の今昔を語っていただきます)