2019.04.08

第2回 妥協を許さない開発姿勢

健康住宅への飽くなき探求

 

前回からの続きです。

 

 

聞き手  天然素材の建材でも安全とは限らないということですが、更に詳しくお聞かせ下さいますか。

 

 

中上   はい。例えば珪藻土そのものは固まることができないので、必ず接着剤が含まれます。さらに防カビ材も入っています。ですから、天然素材由来の建材でもそれに含まれる成分もしっかりとご理解された上で、選ぶことをお奨めします。

 

 

珪藻土に含まれる接着剤や、防カビ材がなぜ安全では無いのですか。

 

 

はい。接着剤や防カビ材には揮発性の有機化合物が含まれています。つまり、常温で気体になる有機化合物なんですが、新築直後から珪藻土の壁からじわじわとこの有機化合物が室内の空気中に放出されるので、日常生活の中で知らず知らずのうちに、人体に有害な物質を吸い込んでしまうのです。

 

 

知らないうちに体内に蓄積されて、それが深刻な症状を引き起こすということなんですね。

 

 

そうですね。日常生活の中で気付かず、時間をかけてゆっくりと蓄積するので、どうしても予防という意識が働かない。だから尚更怖いんですね。

 

 

無添加住宅の建材、例えば漆喰はどうなんでしょうか。

 

 

 

 

漆喰は古来から世界中で使われてきた建材です。空気中の二酸化炭素と反応して固まる性質があるので、耐久性も高い建材として知られています。ただ、漆喰が固まる速度を上手にコントロールしないと、ひび割れやすくなります。当社オリジナルの無添加漆喰は、高知産の石灰石を使用し、ぎんなん草とすさ、そしてひび割れを防ぐ秘密の成分Xが入っています(Xは食べられます)。だから口にいれても問題が無いくらい安全なのです。

 

 

成分Xが無添加漆喰がひび割れない秘訣の様ですが、この材料も安全なんですね。

 

 

もちろんです。現在流通している漆喰には接着剤が含まれるものもありますが、このXは接着剤ではありませんし、開発者の秋田会長が、口に入れる事ができるもの、例えば砂糖、塩、しょうゆ、コーヒーなど、様々な食材を混ぜて実験し、開発しました。だから、ご安心ください。

 

 

ただ、接着剤が含まれていないと、左官職人さんが奇麗に塗れるのかどうか不安が生じます。

 

 

はい。他の左官材料に比べて、左官技術を要するのは確かです。だから、代理店に加盟された工務店様には、当社から必ず技術指導として弊社左官職人を派遣して、無添加漆喰を塗る技術を習得してもらっています。

 

 

漆喰塗りの指導の様子

 

 

職人さんにまで研修を行っているのですね。

 

 

はい。無添加住宅の屋根材はクールーフという天然石を使ったオリジナルの建材なんですが、屋根の葺き方も、当社オリジナルの工法なんです。夏の熱気を放出する工夫があるんですね。この屋根の葺き方を職人さんに習得していただくために、ミニチュアの家をつくり、それを使って屋根葺きを体感し習得していただいています。

 

 

 

 

独自工法であるクールーフの葺き方を習得するための模型。

 

 

安全な建材を普及することには様々な努力が伴うみたいですね。フロア材の安全性にもとても配慮されていらっしゃるようですが。

 

 

はい。当社は世界中からフロア材を輸入しています。通常、木材を船舶で輸入するときには薬剤で防虫処理をするのですが、当社の場合、冷凍コンテナで害虫を絶命する方法を採用します。

 

 

冷凍コンテナ。マイナス20度の冷凍殺虫。

 

 

通常とは違う方法だとコスト面で不利だと思いますが。

 

 

そうですね。コストアップになったとしても安全性を優先するのが当社の方針です。接着剤も米のりを使っていますが、これもいろいろと手間なんです。でも安全なので採用するんですね。ベンガラを塗装するときは、焼酎と豆乳で溶いていますし。

 

 

接着剤の米のり

 

 

食べられる素材ばかりなんですね。

 

 

今回は天然素材の建材についてのお話を伺いました。次回は、中上さんの活動を通して(株)無添加住宅の取り組みについてお聞きします。次回、「第3回 自由でおおらかな設計思想」へジャンプ

 

 

建材についての詳細は、こちらの無添加住宅ウェブサイトの建材紹介ページもご参考下さい。

 

 

当シリーズの一覧はこちらへ。

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