前回からの続きです。
聞き手 中上さんは、代理店支援のため、全国を回っておられるとお聞きしました。
中上 はい。代理店様、お客様、そして当社の「三方が全てよし」というのが、当社の信条です。だから、代理店様と協力しながら家づくりに励むのが当然だと思っています。完成見学会その他のイベントで人手が足らない時は、応援に行きますし、お客様向けの勉強会やセミナーの講師役も引き受ける時もあります。
家を建てるお客様との打ち合わせも頻繁にあるようですね。設計のキャリアも長いとお聞きしています。
はい。これまで全国各地で大勢のお客様の住まいを設計して参りました。アイ創建様のハウスクエア横浜のモデルハウスを担当していた時もありますので、私が設計のサポートをした無添加住宅は横浜には結構あります。
その当時は、秋田会長と中上さんのお二人でこのモデルハウスを運営されていたようですね。
はい。週末に2人で交互に西宮から横浜に通い、お客様への対応をさせていただいていました。
とても過密なスケジュールをこなしていらしたとお見受けします。
そうですね。例えば秋田会長は、10時にモデルハウスにご来店されるお客様のために、当日朝の6時に土地を見に行き、その後、設計提案を考えて、10時にプレゼンをしていました。プレゼンをする約束では無いにも関わらず、お客様が喜んでいただけるのならと、どんどん進めるのが秋田会長の方針でしたね。
秋田会長は以前、某雑誌の「読者が選ぶ建築家100人」の特集で、工務店の社長で唯一選ばれた様ですね。
はい。関西ローカルのTVでも取材を受けましたが、異彩を放つ外観で街のランドマークの様な建物を設計していましたね。1年に数件、お引渡ししたお客様のお宅に、「どこで建てたのか教えて下さい」と聞いて、当社へご来店いただいたお客様がいらっしゃいました。
無添加住宅の家は、どこか懐かしく優しい雰囲気があり、一方で個性的な外観だったりしますね。ハウスクエア横浜のモデルハウスもそうですが、そんな無添加住宅の家のデザインは、秋田会長の設計思想が原点にあったんですね。
はい。無添加住宅の開発のために、建材を求めて世界中をまわっていた秋田会長が、ヨーロッパのアンドラという国で見た家屋が着想の原点です。築後数百年経っているはずなのに、どっしりと美しい姿に衝撃を覚え、こんな美しい天然素材の家を日本でも建ててみたいという思いが、無添加住宅のデザインに生きています。
そして、とても柔軟な発想の設計をしていました。
柔軟な発想の設計といいますと。
はい。お客様がこうしたいという希望を何としてもかなえようという意識が強く、とてもエネルギッシュでしたね。例えば、船をイメージしたい家の窓は、造船所に直談判して窓を調達したり、イギリスの高級家具にマッチする建具を、イギリスの家具メーカーに電話してオーダーしたりと、1軒1軒の住まいにオリジナルな取り組みをやっていました。
お客様のためになら、妥協を許さない姿勢を感じます。ところで、鉄道の枕木が外構に使い始われ始めた時期に、秋田会長が手掛けた外構工事の写真を、JRさんが宣伝のため撮影されたとか?
そうなんですよ。廃棄に困っていた枕木を、外構の建材として本格的に販売するときの宣伝資料として使っていただきました。大変光栄なお話です。
それは面白いエピソードですね。外構デザインまでにもこだわっていらっしゃったんですね。無添加住宅の開発者ご自身が、デザインに対する強い探求心をお持ちでいらっしゃるということは、加盟代理店様にもそのような特徴があるんでしょうか。
そうですね。とても勉強熱心な代理店様ばかりです。当社では、全国の代理店様向けに設計講習を頻繁に開いていますが、いつも活況です。様々なお客様のニーズにお応えできるよう、代理店一同、日々研鑽を積んでいます。
中上さんのお話はまだまだ続きます。次回、「第4回 空気汚染由来の疾患と、成分測定への取り組み」へどうぞ。
無添加住宅の個性豊かな外観の例はこちら(株式会社無添加住宅のウェブサイト)もご覧下さい。