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住宅建築と大工の仕事

Chap.18 お客様に知っていただきたい大切なポイント-住宅の気密断熱を考える③

2019.08.23

 

 

前回までのお話では、断熱性能を長期間確保するためには、壁の中の結露対策が重要で、その対策方法が、通気層であることをご説明しました。

 

 

 

親方によれば、この通気層が、現場で確実に施工できているかどうかが、建物寿命を大きく左右するとのことでした。今回は、この点について詳しくお伝えします。

 

 

 

さらには、気密も含め、高気密高断熱を追求し続ける事の是非をお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

通気層の、施工上の注意点。

 

 

聞き手

親方、実際の現場で通気層を取るときに、どのようなところに注意されていらっしゃいますか。

 

 

 

親方
はい。空気の通り道だから、途中で行き止まりが無く、出口を確保して湿気を放出してあげること。これが大原則ですね。実は、これが、「言うは易く行うは難し」なんです。

 

 

といいますと、建物には様々な形状があるので、気を付けないと、「ある部材」が通気層を塞いでしまうことになりかねないんです。

 

 

 

 

「ある部材」とは建物ごとに違ってくるのでしょうが、事前に通気層ありきで工事を進めないと、あるとき「シマッタ!」という事態になるんでしょうね。

 

 

 

 

親方
そうですね。住宅を構成する一つ一つの材の目的は様々で、ある材は屋根の荷重を負担したり、ある材は窓を支えたりと、多種多様にそれぞれの目的があるんですね。それらがお互いを尊重しながら存在している。通気層の確保も、それぞれの材にそのような配慮をさせるということになるんでしょうね。

 

 

 

 

親方
材木がそれぞれの主張を押し通すだけの住まいは、どこかで支障が出るということでしょうね。人間社会と同じですね。

 

 

 

 

親方
設計図には描いていないが重要なことを現場で考えて施工する事。それが大工の仕事の醍醐味の一つでもあると思います。完成後は見えない場所ですし、通気層を完璧に確保しましたかと、お客様から聞かれることは先ずないですけどね。現代の建て方における断熱の話で、とても大切なことですけどね。

 

 

 

最近は、インターネットで良く勉強されているお客様も増えたとお聞きしますが。

 

 

 

 

親方
そうですね。UA値やQ値を聞かれることは増えましたね。でも本当に大切なのは、長期の断熱性能の確保、壁体内結露と木材の長期腐朽対策、その一つの対応策としての通気層の施工。こういった点に着目されたらいいんじゃないかと思いますね。

 

 

 

気密についてはどうでしょうか。

 

 

 

親方
そうですね。気密シートを張ってまで高気密の住宅とする必要はないでしょうね。気密シートそのものの寿命もよく分かりませんしね。しっかりと断熱材を充填すればそれで住むには十分でしょうね。気密をやりすぎるととても息苦しい家になりますよ。そもそもの原理原則だけど、モノづくりにおいては、できるだけ材料は少ない方がいいですしね。

 

 

何よりも、人を心地よくすればするほど、建築には心地よくない。長寿命の住宅をご希望されるならば、生きている材木を呼吸させてあげる配慮も必要となる訳ですね。昔の家づくりは、自然と、そんな配慮をしていました。

 

 

 

 

なるほど、住宅と長く付き合うには、住宅への気配りが求められる。そんなところに、普請する側の作法が現れるんでしょうね。