耐震には特にこだわるアイ.創建の住まい
2018.11.16
(株)アイ.創建の耐震への取り組みをまとめました。建築基準法の遵守だけではもはや安心できません。耐震については、しっかりとご検討されることをお奨めいたします。
繰り返し型の巨大地震による影響に配慮
2016年4月に発生した熊本地震では、最新の建築基準法による建物が倒壊しました。1回目の地震で建物の一部が損傷し耐震強度が弱くなったところに、2回目の地震に襲われ倒壊したというのがそのメカニズムです。
当社ではその事実を深刻に受け止め、繰り返し型の地震に強い制震ダンパーを全棟に設置しています。制震ダンパーは、様々な商品がありますが、商品を比較検討した結果、当社では日本軽金属の「ブレースリー」という商品を採用しています。
その特徴は次のとおりです。
・ 制震ブレースでありながら耐力壁として「壁倍率2.4/2.3倍」が認定されている。
・ 制震機能付きの耐力壁として利用できるため、限られた住宅の壁を有効に使うことが可能。
・ 他の商品に比べ、経年劣化が起き難い。従って、長期的に性能を発揮することが期待できる。
・ 低コストである。費用対効果が高い。
商品の詳しい説明がまとまっているサイトは、こちらです。
強靭な基礎
住宅の基礎構造は耐震上極めて重要な要素です。当社の住宅は全て、強固な盤面で基礎を一体化するベタ基礎です。
建築基準法では120mm以上の基礎巾とされています。当社では、基準法を超える、基礎巾150mmとしています。土台を通じて受ける荷重や地震エネルギーを分散するには、巾が広い基礎が有効です。
更に、鉄筋を覆うコンクリートは50mm以上ついていないと、長期的視点から見れば、鉄筋のサビ防止に有効とは言えません。基礎巾120mmでは、この点については不安があります。
以上の理由から、耐震性と耐久性を高めるために基礎巾を広くしています。
コンクリート強度にも拘っており、18N/mm²が主流の中、24N/mm²として耐震強度を高めています。
こちらは、基礎の鉄筋(補強筋)です。補強筋を建築基準法では300mm間隔で鉄筋を組むところ、当社では200mm間隔で組んでいます。立ち上がりと底盤(基礎の床上の部分)のいずれもで、鉄筋使用量1.5倍として構造を強くしています。また、補強筋の径は同法では9mm以上であれば問題ありませんが、当社では13mmの太い鉄筋を使用しています。
地盤が強い場合は、底盤に鉄筋が入らない布基礎も建築基準法では可能ですが、当社では全ての住宅でべた基礎を採用しています。(因みに、大手ハウスメーカーの大半は、基礎のスラブに配筋の無い布基礎が広く採用されています。)
建物の「ねじれ」への対応
地震や風などによる建物へ加わる水平方向の力は、建物をねじるような力ともなります。この作用に対応するために床面を強く固めると、より耐震性に優れた建物となります。当社では1階、2階ともに床を剛床としておりこの問題に対応しています。
1階床構面
24mmの構造用合板を使用。その上にフローリングを敷き、合わせて39mmもの厚さになります。
2階床構面
2階床面は、91cm×91cmで細かく小梁を組んだ上に、24mm厚の構造用合板を直接固定し床面を剛床とします。さらに防音効果を高めるため、石膏ボード9.5mmを挟んでから、無垢の床材15mmを張っています。
水平力を分散するための自主ルール
建物の強さを決める要素は、柱や梁の太さだけではありません。図の赤い線は、耐力壁の位置を表しています。耐力壁とは地震や強風による水平方向の荷重を受け持つ、耐震構造上重要な壁です。筋交いや耐力面材が該当します。
最近の地震からは、想定を超える地震動が観測されており、建築基準法以上に耐震強度を確保する必要があると当社では考えています。当社では耐力壁量にもこだわり、建築基準法の1.5倍以上を基準としています。(品確法で定める等級Ⅲ相当です。)
安心・安全な住宅を設計するためには、上下階の柱の位置を揃えることが大切です。2階部分の柱の真下の位置に、どの程度1階部分に柱が存在するのかの割合を「柱直下率」といいます。直下率が高いほど、水平方向の地震力を分散でき、各部材に加わる力を落とすことができます。結果的に倒れにくい建物になります。柱直下率は、少なくとも50%以上確保することが望ましいと言われています。アイ創建では、柱直下率70%を目標にプランのご提案を行っています。
その他、材木の乾燥状態や施工精度、地盤の状態や補強の程度などにより建物の耐震強度は変わります。住宅の耐震設計は極めて重要な問題ですので、更に詳しい内容は当社(株)アイ.創建までお気軽にお問い合わせください。
また、住宅業界の耐震設計の実情について、こちらの「木造住宅の耐震設計の実態」の記事にまとめていますので、ご参考下さい。
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