2018.12.09

木造住宅の耐震設計の実態(4)

耐震・断熱の詳しいおはなし

弊社の取り組みと課題

さて、これまで3回にわたり、木造2階建て住宅の耐震の話をしました。今回は弊社の耐震についての方針と今後の課題について少し書きたいと思います。

 

第2回目のコラムにも書きましたが、弊社の建物は最低でも基準法の1.25倍の強度を確保する方針です。更に耐震性能を向上させるため、「直下率」の数字を重視しています。直下率とは、2階の壁や柱と、1階の壁と柱が一致する割合を示すものです。この割合の数字が高いほど、建物全体に加わる力をバランス良く負担でき、一部の部材に過度な力が加わることを回避しやすくなるため、結果的に耐震性能が上がるのです。通常は50%以上が望ましいと言われていますが、弊社では70%を目安にプランを提案しています。

 

また、設計上の耐震性能の向上のほか、建物の仕様面についても強度を確保することとしています。基礎の場合、幅を通常より広くしたり、鉄筋量を通常の約1.5倍の量としたり、コンクリ強度を主流に比べ1.3倍としたりと、木造住宅の基礎としては最高水準であると思っています。

 

更に、建物のねじれを回避する重要な役割の一つである、床の剛性は、24mm合板+9.5mmPB+15mmフロア材の
3層重ねで、極めて高い床剛性を確保しています。

 

耐震のコラムは今回で最後となりますが、これから住まいを建てる方向けに書いた当コラム、お役にたちましたでしょうか。少なくとも建築基準法を守っていますからの一点張りでは、不安が山積みであることはご理解いただいたのではと思います。

 

その他の耐震についての記事は、こちらからご覧下さい。

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